一流企業がやっている実行計画の立て方とは?

戦略の管理

全社戦略と事業戦略にて、自社が成長していくために何をやっていく必要があるかを定義しましたが、ここからはその戦略を実行していくことが必要となります。

企業が成長のために何をやるべきかという方向性である戦略だけ読んでも何を具体的にタスクとしてやっていくかは現場へと落とし込むことは難しい。

そのため、戦略をよりブレークダウンし、タスクレベルまで落とし、実行の期限を記載し、そのタスクの実行責任者を明確にしていくことが必要となります。

そこまでしないと現場は何も動きません。コンサルが作った戦略が役に立たないということはしばしば聞かれますが、その主な理由としてあるのが、「戦略が実行計画に落とされていない」ということにつきます。

大体の企業では、コンサルティング会社に戦略策定を外注し、戦略を作るだけで満足し、戦略が実行されずそのままといったケースが多々あります。

 

実行計画策定の全体像

実行計画策定のステップとしては、大きく下記4つに分けられます。

  1. 戦略の確認
  2. 戦略のブレークダウン・タスクの抽出
  3. 時間軸の設定
  4. 担当者の設定

 

実行計画の策定に先立ち、その実行の基となる戦略を確認することが先決となります。戦略を正しく理解し、いつまでにどのような方向性の事業推進をやっていかねばならないかを想定しておく必要があります。

その後、その方向性に従い、戦略を分解していく。大まかな構造化を行い、何を具体的にやっていくべきかを特定します。

分解を進め、日々のタスクレベルまで落とし込みます。戦略には大まかな時間軸が設定されているはずなので、タスクの実行順序とそれをいつまでに終わらせなければならないか逆算できるはずです。

最後に、各タスクに責任者をアサインし、正しく実行される体制を担保するというのが全体像です。

 

実行計画策定の個別ステップ

戦略の確認

策定した戦略を確認し、目標値とその時間軸、目標値に向かうために何を大まかにやっていくかを確認します。

戦略を正しく理解し、タスクに落とし込めない場合、その戦略自体の精度が低いのか、タスクが正しく実行されておらず、効果がでていないのか測ることが難しくなります。

想定した結果が出ておらず、戦略を見直した結果さらに、効果がでないという悪循環に陥ることもあります。

 

戦略のブレークダウン・タスクの抽出

戦略のブレークダウン・タスクの抽出です。ブレークダウンを行う際は各階層のレベル感を合わせて分解を行いましょう。

正しく分解できていない場合、ある項目はTodoレベルまで落とし込まれているのにもかかわらず、別の項目は抽象度が高く実行責任者が正しく実行できないといったことも発生します。

正しくブレークダウンしていき、タスクレベルまで落とし込むのは、タスクの実務担当者が行うのがよいでしょう。ブレークダウンされ、タスクレベルに落とし込まれたもののチェックは、部長・課長レベルで行うのがよいと考えます。戦略とタスクが精緻に紐づいているかを確認する必要があります。

実行して、思った以上の効果が出ない場合、部長・課長レベルの責任になることを想定してチェックをする必要があります。ガンバリズムでは競合との競争に勝つことはできない。タスクをただ実行しろ、もっとがんばれ、タスク量が足りないという精神論でディレクションを行う方もいるが改めなければなりません。

改めて、PDCAをまわすことが重要なのです。

  • 戦略をタスクレベルに起こしこみ、実行計画化するのがPlan
  • その後、それを定められた時間軸で、担当者が実行していくのが、Do
  • 実行された結果を確認するのが、Check
    • 但し、確認すべきは実績だけではなく、行動が正しく行われたのかもチェックする必要があります。正しく実行されていないから、効果がでていないのか、特定する必要があります。
    • 正しく実行されていない場合は、何が原因で実行されていないのかを特定し、原因を取り除けばよいです。一方で、正しく実行したのに、効果が出ていない場合は、実行するタスクに誤りがある可能性があるため、慎重に見極める必要があります。
  • 最後に、上記の課題に対する打ち手を考え・実行するのがAction
    • 課題を取り除き、設定した目標へ向けて改善アクションを取ってこそ、策定した戦略の本来の力が発揮されます。 

 

 

時間軸の設定

ブレークダウンしたタスクに関して、いくつかは前後関係のあるタスクがあるはずです。それに注意し、戦略で定まっている時間軸から逆算して、タスクの時間軸を設定していくこととなります。

現実的な時間軸を設定しなければ、計画は確実に未達となります。

現実的な時間軸を設定し、戦略で定められた時間軸に沿わない場合、リソースの投下量を増やし、間に合うように体制を見直すか、時間軸を見直す必要があります。

 

 

 

担当者の設定

最後に、担当者を設定し、タスクの責任者を明確にすることが必要です。いつまでに誰が何をやるかを設定し、管理・モニタリングを行っていくことが必要となります。

 

実行計画・プロジェクトマネジメント関連でおすすめの書籍は以下となります。

 


PDCAプロフェッショナル―トヨタの現場×マッキンゼーの企画=最強の実践力

 


外資系コンサルが教えるプロジェクトマネジメント

 


トム・ピーターズのサラリーマン大逆襲作戦〈2〉セクシープロジェクトで差をつけろ!

 


最高の結果を出すKPIマネジメント

 

 

今後のステップ

実行計画ができたら、次の評価・モニタリングのステップとなりますが、何をどうやってモニタリング・評価していくかを定め、進捗や結果を管理していくこととなります。

 

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次の記事:意思決定の促進

 

 

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